営業本部で行う、「クライアントへの人材提案」「派遣スタッフのコーディネート業務」「クライアント先への常駐管理」の3つの部門を統括して管理しています。そして、部門に関係なくすべての社員が総出で行うのが、「派遣スタッフのコンディションの可視化」で、私が責任者として担当しています。全員が毎週1回集まって、情報を共有する会議を開いています。この手の会議は、「派遣スタッフのA君はどうですか」「少し元気がないようにみえますが、わかりません」といった報告になりがちです。　

　その点当社では、アンケート結果や当社独自のシステムで数値化された仕事への意欲度、さらにはクライアント先に常駐している社員の定性情報にもとづいて、「A君は仕事への意欲度を示す数値が4から3に下がっています」「現場でも『少し疲れています』と言っていましたね」「それでは、明日の午前中は休むように伝えましょうか」といった具合に、的確な対応を考えられる報告ができています。

　ええ。しかし、いくらデータで状況を把握できても、実際に派遣スタッフに対するマネジメントがうまくいかないケースは多々あります。そういった場合は、全員が自分の体験談をもとに、解決に向けて有効なアイデアを出し合います。それが毎週積み重なり、ナレッジとして蓄積されていくため、データを駆使したマネジメントの精度が日々高まっていくことが期待できます。

　私たちは全員が、派遣スタッフの成長を信じて、彼ら彼女らに寄り添うサポートを愚直に行っています。そして、その派遣スタッフからの「ありがとう」といった言葉をいただくことで私たち自身の成長を実感でき、一人ひとりの成長が会社のさらなる成長へとつながると思っています。

　当社では、派遣スタッフの「入社率」「出勤率」「継続率」の3つの指標が、究極的には100%になることを目指しています。そのためには、さらに派遣スタッフへのサポートを手厚くしていく必要があると考えています。今後、コンディションの可視化にAIを組み合わせたシステムを導入し、一人ひとりにより精緻なサポートができる体制を構築したいと考えています。それができた暁には、人材業界の枠を越えたコンサルティングファームのような会社になっているかもしれませんね。いつまでも挑戦し、成長し続ける企業でありたいです。